そらとぶアザラシ

とあるWEBエンジニアの日誌

『死にがいを求めて生きているの』を読了した

※それなりに経った本なのでおもいっきりネタバレで感想かきます※

 

タイトルにひかれて知らずに手に取ったんですが古来から続く海族と山族の対立を描くというテーマで複数の作家にかかれている作品らしくて、第一弾としては8人の作家さんが参加されているようです。プロジェクトの詳細はリンクはっておきます。

「螺旋」プロジェクト|つながる文芸Webサイト「BOC」ボック

 

で、先に描いた通りに海族と山族の対立もあわせて『何かと対立することが生きがいになってる血気盛んな青年雄介』と『山族と海族を研究する父に雄介は山族だからかかわるのをやめろと言われて海族と山族なんてない!と信じて生きる幼馴染の智也』みたいな話から、『対立することが生きがいな雄介に、父と対立していることが生きがいとなっている自分(智也)が雄介を説得できるのか?』みたいな話なんですが、私は正直あんまりしっくりこなかったかな。

半分くらいは結構うんうんと読んでて、雄介がいろんなものとバトってるのは現代が求める男性性みたいなものを顕現しないといけないっていう、陽キャ男性にありそうな悩みの結果なんですよね。そこはわかるし、興味深い課題に思うんだけど、『山族だから人とバトるのが好き』みたいな、現代の悩みをファンタジーにしてしまうの、すんごいもったいないなーって感じました。なのでベースの現代部分はすごい好きなんですけど、そこに盛られた海族山族のファンタジー部分が私にはしっくりこなかったです。

なので智也の行動原理の海族山族なんてないとか、父に山族だと言われている雄介を見守らなきゃ、みたいなのもしっくりこなくて…ええやん雄介の人生なんだしほっといたれよ…。あと謎に破滅するテレビの制作の人もちょっとよくわからなかった…。

 

というわけで私には早い作品だったかなーと思いました。

あと読んでる間ずっとセカオワのHabit聞いててたんですが私はセカオワのHabitみたいな姿勢とノリの方が好きだなーって思いました。しっくりこなかったのは好みの問題もあるかもね。そういう意味では途中の与志樹とめぐみの話は好きでした。